妊娠中のトラブル
妊娠後期[逆子]
赤ちゃんは通常、頭を下にして羊水の中に浮かんでいますが(これを頭位といいます)、時々、頭が上で、足やお尻が子宮口の近くにある赤ちゃんがいます。これを「逆子」または「骨盤位」といいます。
妊娠中期までは、赤ちゃんはお腹の中で活発に動き回っているため、もし逆子のように見えても、妊娠後期になり、活発に動けなくなる時期までには、ほとんどの赤ちゃんが頭位に戻るので、心配はありません。最終的に、逆子のままで出産するママは全体の4~5%くらいです。
逆子の場合、心配なのが「前期破水」です。お尻や足が子宮口の一部を圧迫するため、破水しやすいといわれます。
また、通常は破水が起こると、赤ちゃんの頭が栓の役割をし、羊水が一度に流れ出るのを防ぎますが、逆子は栓をすることができず、隙間からへその緒が先に出てしまうこと(臍帯脱出)があります。そのままでは、赤ちゃんは無酸素状態になってしまいます。
破水症状を感じたら、清潔なナプキンを当て、すぐにお医者さんへ行きましょう。
原因
逆子の原因はいまだハッキリとはわかっていませんが、子宮筋腫、子宮の奇形、胎盤の位置が低い、へその緒が短いなど、ママの方に原因がある場合もあります。
症状
逆子には、さらにいくつかの種類があります。
治療・対処法
逆子を治すには、「胸膝位」というポーズがよいといわれています。(但し、必ず医師の指示を受けてから行うようにしてください)毎日、お昼と就寝前に行って、赤ちゃんが動きやすくするものですが、お腹が張ったり、つらくなったりしたら、無理に体操を続ける必要はありません。
できるだけお腹が張らないよう、楽な姿勢でいることが一番!家にいる時は、腹帯をとって、お腹をやわらかくしておきましょう。
※最近では破水の危険性等の理由から、逆子体操を推奨しない産院も増えているようです。
逆子体操を行う場合は、必ずかかりつけのお医者さんや助産師さんにご相談ください。
最終的に逆子と診断された場合はほとんどが帝王切開のお産になります。ですが、経腟分娩ができる可能性がゼロというわけではありません。
全足位や膝位では細い足から出るので、最後に頭が出る時に充分に産道が広がらず、危険な状態になる可能性があるため、多くが帝王切開になります。
一方、単殿位や複殿位であれば、お尻が先に出てくるので、経腟分娩できる場合があるのです。とはいえ、帝王切開も、逆子の赤ちゃんが最も安全に生まれる「安産」の方法でもあるということを念頭において、お医者さんとよく相談し、分娩方法を検討してください。
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