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いよいよ出産
出産法あれこれ
[鉗子分娩と吸引分娩]

子宮口が全開し、赤ちゃんも下がってきて、あともう少しで誕生!というところで、分娩の進行が止まってしまうことがあります。
急に陣痛が弱くなってしまった、赤ちゃんが産道をうまく回って下りてくることができなくなった、赤ちゃんの心音が弱くなったなど、さまざまな理由が考えられますが、そんな時に、鉗子や吸引カップを使ってお産の進行を助けるのが、「鉗子分娩」、「吸引分娩」と呼ばれる方法です。
赤ちゃんを少しでも早く外に出した方がよいと判断された時に行われる、緊急の分娩手術です。鉗子分娩か吸引分娩にするかは、そのときの状況によって判断されます。
一般的には、吸引分娩の方が赤ちゃんを引き出す力が穏やかなので、まず吸引分娩を行い、それが有効でなかった場合に、鉗子分娩に移行するケースが多いようです。


鉗子分娩

鉗子分娩

鉗子分娩

鉗子とは、金属製2枚のヘラを組み合わせたハサミのようなものです。この器具で赤ちゃんの頭を挟み、外に引き出します。ママもタイミングを合わせ、引き出すのと同時にいきむのがポイント。
鉗子分娩はより安全に、母子ともに分娩を完了できるように設計された器具を用いた分娩方法です。日本では最近は吸引分娩が多く用いられていますが、鉗子での牽引は確実で優れているため、外国では鉗子分娩の方が主流です。しかし、手技の困難さもあり、習得することが難しいとされているため、わが国では取り入れてないドクターも多いようです。また、金属の鉗子を勢いよく動かすことで、産道に傷がつくこともあります。

鉗子分娩が用いられるケース

● 子宮口が全開大したにもかかわらず、胎児が下がってこないで分娩が進行しない場合

● 母体の疲労が著しい場合

● 微弱陣痛

● 胎児の回旋異常

● 胎児が仮死状態に陥る可能性がある、または陥っている場合



吸引分娩

吸引分娩

吸引分娩

吸引分娩は金属(ハードカップ)、あるいはシリコン製(ソフトカップ)の丸い大きなカップを赤ちゃんの頭に当てて、カップの内側を真空状態にし、吸引力によって赤ちゃんを引き出す方法です。
鉗子分娩にするか、吸引分娩にするかは、そのときの赤ちゃんの状態によりますが、吸引分娩は、鉗子分娩よりも引き出す力が穏やかなので、最初は吸引分娩。それでも出てこなければ、鉗子分娩へと変更されることが多いようですが、鉗子より操作が容易で安全性も高いため、最近では吸引分娩の方が多く用いられているようです。
吸引分娩は吸着力に限界がありそれ以上引っ張るとはずれてしまうため、鉗子分娩に比べると牽引力は弱く、母子ともに障害は少ないといえます。

吸引分娩が用いられるケース

● 子宮口が全開大したにもかかわらず、胎児が下がってこないで分娩が進行しない場合

● 母体の疲労が著しい場合

● 微弱陣痛

● 胎児の回旋異常

● 胎児が仮死状態に陥っている場合



鉗子分娩・吸引分娩の後

このような器具を使うことで、赤ちゃんの頭に傷がつくのではないかと心配する人もいるかもしれませんが、鉗子によってできた跡も、吸引によってできたこぶも2~3日で自然に治り、脳に障害が残るようなこともまずありません。そうした心配よりも、鉗子や吸引カップによる処置をしないまま、ずるずるとお産を長引かせる方が、赤ちゃんにとってもママにとっても、とても危険なお産となってしまいます。
ただ、鉗子分娩・吸引分娩の処置が行われる場合には、会陰が大きく切開されるというデメリットがあるため、ママは産後に会陰切開の痛みが強い可能性があります。

こうした分娩に対してできる予防策としては、できるだけ安産で産めるように、よく運動して太り過ぎないといった、妊娠中から健康管理をしっかり行うことが大切です。
ただし、妊娠36週以前にダイエットのつもりで歩き回るのは禁物です。その為に早産される方がまれにみられます。妊娠中のダイエットはあくまでも食事で行うようにしましょう。37週を過ぎたら、1日1~2時間ほど歩くことが効果的です。ひざや腰を痛めないようにゆっくりマイペースで歩きましょう。

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