コミュニケーション[子育てエッセイ]
1才11〜12ヶ月
ママのところに生まれるの
命はどこから来るのでしょう?
科学ではまだ解明されていない事がたくさんあります。
かつて、「胎教は迷信だ」と言われていました。母親と胎児は神経がつながっていないので、気持ちが伝わるはずがないという理由です。ですが、へその緒を通して酸素や栄養分とともにホルモンが伝わっていることが分かって、胎教は科学的にも立証されたのです。
科学で解明されてもされなくても、母親の気持ちが胎児に伝わっているという事実は変わらないのに、あたかも「科学で立証されたことが事実である」といわんばかりの風潮でしたが、先人たちはすでにおなかの中にいた時のことをちゃんと知っていたのです。同じように、科学では立証されていなくても、私たちはちゃんと知っているはずなのです。私たち自身が、母親のお腹の中に「新しい命」として誕生してきたのですから。
子どもたちが持つ「誕生の記憶」
子どもたちに「誕生の記憶」について聞いていると、お腹の中に入る前のことを話してくれる子がいます。「お母さん屋さんでお母さんを選んで来たんだよ」、「パパとママのところに生まれてくるって約束していたのに、パパとママがなかなか結婚してくれないから、空の上で心配してたんだよ」
私たちはどうして、自分の両親の元に生まれて来たのでしょうか?
我が子はどうして、自分の元に生まれて来たのでしょうか?・・・偶然でしょうか?
私たちは親子の関わりによって、多くのことを学んでいます。子は親の鏡と言いますが、それによって親と子はお互いに課題を作り、そして増幅し、魂が深く関わり合っていくことで学び成長していきます。
産まれた時や、胎内・誕生の記憶を聞く際に、子どもたちに描いてもらった絵があります。
この絵は、とても気になっている誕生の絵の一つですが、Yちゃんが4才の時の絵です。誕生の時のことを聞くとYちゃんはとても嬉しそうに「覚えてる」と答えてくれたのに、その時のことを絵に描いてと頼むと、Yちゃんはもじもじするばかりで、ママが「(生まれた時のことは)あまりハッキリ覚えていないよね?」と言うと、「違う!」と言ってこの絵を描き始めたそうです。
何だか、とてもよく伝わってくるような気がします。弱い陣痛から始まって、行ったり来たりを繰り返しながら、誕生の爆発的な瞬間を迎える。言葉では言い表せなかった気持ちが伝わってくるようです。
※プライバシー保護のため、一部画像を加工してあります。
そして、6才のYちゃん(Y.Sさん)の絵です。(上の絵とは別のお子さんです)
ドキッとしました。そして、きっとお腹の中ってこんな風なんだろうと、とてもリアルに想像ができました。
こうしてグルグル回っているYちゃんは、大きさからすると妊娠2~3ヶ月でしょうか。絵を見ていると、心や意識がどうやって生まれてくるのかという不思議がわき上がってきます。
心は脳であることが、近年の科学では明らかになりつつあります。ですが、こうして脳が発達するよりもずっと前から、私たちには意識があり、気持ちがあり、魂というものがあるのではないでしょうか?
また、お子さんが25才になられた方から伺った話ですが、3人のお子さんのうち、一番上のお子さんは第二次反抗期が激しく、どうしてこんなに自分を憎んでいるかのように反抗するのだろうかと悩んでいたそうです。
でもある時、ご両親やご主人がとても優しく甘えて過ごして来た自分に、成長するための試練を与えてくれていることに気づき、反抗ばかりしているお子さんに感謝の気持ちが芽生え、反抗を受け入れることができた時、ウソのように反抗期は終わっていったそうです。
その後、とても仲のいい親娘になったのに、なぜか薄皮が1枚挟まっているかのように、何だか分からない違和感があったそうです。そして、上のお子さんだけが無痛分娩であったことに気がつきました。お母さんには誕生の瞬間の記憶がないのです。それに気がついた時、本当に心から悪かったと感じ、お子さんに謝られたそうです。お母さんとお子さんは抱き合って泣き、それから親娘の間の違和感はなくなり、本当に仲のいい親娘になったと感じられたそうです。
私たちは、親子という関係を通じて、様々なことを学びます。その出会いは偶然でしょうか?子は親を、親は子を選んでいないのでしょうか?
親と子は、そのつながりゆえに他の人間関係では学べない魂の学びがあります。それは単なる偶然ではなく、親子であることは魂の約束のような気がします。