コミュニケーション[子育てエッセイ]
1才8〜9ヶ月
目に見えない、心の成長
1才は、心の成長が著しい時期です。成長による心の揺れも激しくて、単にわがままになったと見えがちですが、子どもたちの心は驚くほど成長しています。
ところが、その心の成長が目には見えないために、時に親は子どもの成長についていけていないこともあります。していいことと、悪いことのけじめにも複雑な気持ちが絡んできて、今までのように一概には判断できないことも多くあります。
どうしてこんなことをしたのか、どうしてこんな反応をしたのか、今まで以上に深く気持ちを汲み取っていく姿勢が大切です。まだ自分の気持ちをうまく表現できなくても、話を聞くことはきちんとできる子どもたち。子どもたちの主張の強さに、感情を振り回されずに、落ち着いた気持ちで「理由」を探してあげられるといいですね。
表に見えなくても、気持ちを隠していることもあります
仕事の都合で主人と3泊4日で出かける事になり、Kを主人の実家に預けることになりました。以前から話してありましたが、出発当日Kに「ママ行ってくるからね」と言うと「バイバァーイ」と言って送ってくれたので、一安心して出かけました。行き先からも何度か電話をすると「パパママも言わずに、いい子でお留守番してるわよ」とのことでした。少々心配していたので、それを聞いてホッとするやら、「なんだ、大丈夫なんだ。ママの存在も大したことないのかな」とちょっぴり寂しく思ったりしていました。
4日目の夜遅く帰り、次の日の朝Kと久しぶりの御対面。Kは別段変わった風でもなかったのですが、しばらくして主人を駅まで送ろうとして、私たちが靴を履きかけた途端に大声で泣き出しました。「また私を一人ぽっちにしてどっかに行く~」とでも言うように、激しく泣き叫ぶのです。主人も私も、驚いてしまいました。Kは寂しいのをずっと我慢していたようでした。子どもながらに気を遣っていたのかと思うと、私も思わず涙が出てしまいました。今回のことで、とても大きなことを学んだような気がしました。
(1才6ヵ月 Kちゃん M.Hさん)
表面に見えないからといって何も感じていないわけではなく、気を遣ったり、我慢したりしていることもあります。また、怒っている時にも何も感じないふりをしたりします。
あれ?どうして反応しないのだろう?と思った時には、こうして気持ちを隠していることもありますので、ちょっと注意して声をかけてみましょう。