妊娠中のトラブル
妊娠後期[静脈瘤]
静脈内の血液がたまり、こぶのようにふくらむこと。妊娠すると腹部の大静脈が大きくなった子宮に圧迫されて、下半身の血液が大静脈に戻りにくくなります。そのうえホルモンの影響で血液壁もゆるんでくるので、足や、外陰部、膣などに静脈瘤ができることがあります。妊娠の回数が増えるほど出やすい症状です。
症状
主な症状
ぶのようなふくらみがひざの裏側などにみられる
むくみ
下肢の倦怠感や違和感
下肢痛
色素沈着
潰瘍
妊産婦に起こりやすい静脈瘤は子宮が大きくなると子宮のまわりの血液量が多くなり、血管壁が緩み、静脈内に血液がたまって圧迫し、うっ血が起こり、こぶのようなふくらみができます。血液の流れの悪いところ、ひざの裏側、ももの内側、足のつけ根などにできやすいです。
治療・対処法
静脈瘤はお産がすむと消えるので、治療をしたり、手術をしたりということは滅多にありません。静脈瘤の最大の予防は、下半身に血液をとどこおらせないことです。長時間同じ姿勢を続けないようにし、作業はなるべく座って行いましょう。休むときは足を高くし、寝るときは、背中の静脈を圧迫しないよう横向きに。便秘になると直腸がふくらんで静脈を圧迫するので、便秘にならないようにすることも大切です。
入浴は血行がよくなるため、入浴時にマッサージを行うと効果的ですし、血液の流れがよくなる弾力ストッキングや妊婦ガードルをはくこともおすすめです。血行を良くする体操もあるので、ストレッチなどを取り入れ、無理のないようにマッサージで血行を良くすることが効果的です。今は静脈瘤用の弾性ストッキングが一般的に販売されているので、そちらを購入し着用しても良いでしょう。
血管を丈夫にする食事を摂ることも心がけましょう。魚や野菜・果物、大豆製品を中心に、塩分を控えた食事が理想的です。ビタミンCや大豆に含まれるサポニンが血管壁を強くする働きをします。