ママの健康 産後のカラダの変化[避妊法あれこれ]
出産後、ママの体は約半年かけて元の状態に戻ります。できればこの期間はゆっくりママの体を回復させるためにも妊娠は避けたいものです。
気をつけたいのは、生理がまだ再開しないからといって妊娠する可能性がゼロではないということです。生理の前に排卵がありますから、生理を見ずに妊娠することもあり得るわけです。ご夫婦で家族計画についてよく話し合い、まだ妊娠したくない場合はきちんと避妊しましょう。
コンドーム
卵子と精子がドッキングしないようにゴム製の袋をペニスに装着して精子を遮断してしまう方法。日本では従来からの最もポピュラーな避妊方法です。但し、正しく装着しても100%の避妊効果は望めません。性交を中断してつけたりすると、破れて受精することにもなりかねないので要注意です。しかし、手軽に避妊でき、性感染症も防げるのが特徴で、薬と違って副作用の心配もありません。
コンドームは男性が装着する唯一の避妊方法でとても大切ですが、100%ではなく、絶対に妊娠を避けたい人は、女性も避妊をしなければなりません。最近は女性用のコンドームも販売されています。
IUD
子宮の中に前もってIUD(リング)を挿入して、受精しても受精卵の着床をくい止める方法。
日本では2年ぐらいで交換して装着しています。パートナーの協力もいらず、使用感もほとんどないのがメリット。IUDにはさまざまな種類があり、使用する場合は専門医に相談し、適切な処置をしてもらうことです。
ただし、避妊効果は100%ではありません。やはり、絶対に妊娠を望まない人には向きませんし、装着は出産経験のない女性には少し痛みがあります。出産後の女性であれば装着後の痛みはほとんどありません。
正しく装着しないと避妊効果はないので、専門医のアドバイスを受けること。
ピル
日本でピルが解禁されなかった主な理由は、女性がフリーセックスに走ったり、性感染症やエイズが広まるという、男性側の一方的な懸念からでした。それも先進国の中では、とうとう最後となる1999年9月に、ホルモン量の少ない低用量ピルが避妊用として解禁になり、病院で処方するようになりました。
ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合した錠剤。ホルモン剤を使って疑似妊娠を保ち、排卵を止めてしまう方法。「自分の体は自分で守る」、「パートナー任せはイヤ!」と、医療機関を訪れる女性も増えてきました。
しかし、日本ではピルを薬局で買ってくるというわけにはいきません。産婦人科を受診して処方してもらいます。内診、採血、尿、血圧、体重、問診などの諸検査を受けて、飲み方を指導してもらいます。飲み始めたら2週間後に診察を受け、半年に1度は貧血や肝機能、血圧、尿検査など定期検診を受けます。さらに年に1回、乳がん、子宮がんのがん検診も受けます。
また「ピルは副作用が心配で…」という人も少なくありません。もちろん薬ですから、副作用が全くないとは言い切れません。中には飲み始めに吐き気を催すケースもありますが、飲み慣れればそうした症状もなくなります。ほかにピルを服用すると脳血管障害や心臓疾患が発症しやすいと言われますが、数字的には1万5000人に対して1%となっており、望まない妊娠やそれに伴うリスクに比べればはるかに少ないです。
ひとことアドバイス
~母乳育児とピル~
母乳育児中の場合、ピルを使用すると母乳の出が悪くなるので、あまりおすすめできません。いずれにせよ、かかりつけのお医者さんに相談して、自分に合った避妊法を見つけてください。