子どもの健康
アレルギー[じんましん]
起こりやすい時期 : 6ヶ月~
じんましんは健康な皮膚の一部が何らかの刺激を受け、突然赤くなって腫れ、ひどくかゆくなる病気です。皮膚が部分的に赤くくっきりと盛り上がり、とてもかゆくなり、しばらくすると跡かたなく消えてしまいます。ブツブツや赤みは数十分から数時間で消えるのが普通です。
じんましんはカラダのどの部位にもできますが、顔面・胸腹部・大腿部などにできやすく、目の周りや唇が腫れたり、ときには口の中の粘膜が腫れることもあります。発疹の大きさは直径2~3mmから手のひら大まであり、形も丸いものや地図状のものなどさまざまです。
原因
じんましんを起こす原因として考えられるのは、食物や薬に対するアレルギー、かぜのひき始め、温度の変化、圧迫などの物理的刺激、太陽光線、ストレス、運動などさまざまなものが考えられます。原因不明の場合がほとんどです。
アレルギーを起こしやすい食品として、卵・牛乳・魚・そば・エビ・カニ・イカ・ピーナツなどがあります。但し、原因の食品の特定はむずかしいことが多いです。
症状
主な症状
皮膚上に赤く盛り上がった発疹
発疹が地図のように広がる
数時間~数日で消える
猛烈なかゆみ
出ては消えるを繰り返す
皮膚に急に赤く盛り上がった部分ができます。発疹は短時間であらわれ、かゆみを伴い、数時間で消えることがほとんどです。皮膚以外でも、くちびる、口の中、のどの奥などに出ることがあります。
発疹が1ヶ月以内に落ち着いてしまうものを急性じんましんといい、全体の20~40%を占めます。それに対し、1ヶ月以上断続的に継続する場合を慢性じんましんとよびます。
じんましんの種類には食事性じんましん、薬剤性じんましん、物理的じんましん、心因性じんましん等、原因になるものにより様々です。
治療・対処法
じんましんの最大の特徴である皮膚の腫れの発生には、多くの場合、体内にあるヒスタミンという物質が大きく関与していると考えられているため、抗アレルギー薬(もしくは抗ヒスタミン薬)の内服が治療の基本になります。
抗アレルギー薬とは、肥満(マスト)細胞を安定してヒスタミンを出しにくくし、出てきたヒスタミンも血管に働かないようにブロックする薬です。眠気がくることもありますが、副作用は比較的少ない薬です。即効性を期待して抗ヒスタミン薬を注射することもありますが、基本的には内服と同じ意味です。塗り薬はあくまでも補助的な役割を担います。
じんましんには、食べ物や抗生物質などの薬剤、食品添加物、化学物質、動物・植物、感染症、汗、温度差、日光などが誘因となって起こるアレルギー性じんましんがあります。
このほか、温熱や寒冷、衣服などが皮膚に当たるなどの機械的な刺激、精神的な緊張によって起こる非アレルギー性じんましんがあり、その原因により治療や対処法が変わってきます。
原因になる食品がはっきりしている場合は、それを摂取しないことが大切です。原因がなかなか特定できない場合には、毎日の食事内容をメモしておき、医者にかかる際にメモを持参すると対策を立てやすいでしょう。
原因検索のため、アレルギーの原因物質を皮膚につけるパッチテスト、原因となっている食品があるか試験的に摂取させたり、除去させたりして調べる食品摂取・除去テスト、薬剤内服テストなどを行ったり、寒冷試験、水浸漬試験、光線検査などの特殊試験を行うこともあります。このようにお医者さんで検査して原因を確認しておくと、予防策も立てやすくなります。
はげしい食物アレルギーでは、かゆみの他にのどが腫れたり、吐く、下痢などの症状が出て、気分が悪くなる場合もあります。特に声がかすれる、のどがヒューヒューゼーゼーする、息が苦しいというような症状のときは赤信号。すぐに受診したほうがよいでしょう。
ときには全身真っ赤になり、血圧も下がってショック状態になる(アナフィラキシーショック)こともあるので、じんましんの出方には注意してください。