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子どもの健康
呼吸器[肺炎]

起こりやすい時期 : 0ヶ月~

イメージ
肺に炎症が起きる病気のことをまとめて肺炎といいます。肺炎は、主に細菌やウイルスなどの病原微生物により肺が侵される病気です。
肺炎には、感染源を吸い込んで発病する細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、真菌性肺炎などの感染性の肺炎と、薬剤性肺炎、アレルギー性肺炎などの非感染性の肺炎があります。肺炎の大部分は、前者の感染性肺炎です。細菌やウイルスは、呼吸をするときに鼻や口から身体の中に侵入しますが、健康な人は、のどでこれらの病原菌を排除します。しかし、風邪をひいてのどに炎症が起こっていると、病原菌が素通りして肺に入ってしまい炎症を起こしてしまいます。
原因となる病原体によって主に「ウイルス性肺炎」、「細菌性肺炎」、「マイコプラズマ肺炎」の三つに分けられます。一般的には細菌性肺炎のほうがウイルス性肺炎より症状が重くなりがちです。 肺炎は、抗生物質の登場以前は、高い死亡率を示していましたが、現在は、良質な抗生物質の発達により、死亡率は激減しています。しかし、高齢者や基礎疾患を有する患者さんでは、未だに死亡原因として重要な疾患ですから、注意が必要です。


原因
ウイルス性肺炎は麻疹(はしか)ウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなど。細菌性肺炎の原因となる細菌には、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌など。マイコプラズマ肺炎は微生物のマイコプラズマに感染して起こります。微生物ではマイコプラズマの他にクラミジアに感染して起こる肺炎があり、これは赤ちゃんに多くみられます。


症状
主な症状
せき
鼻水
38~40℃の発熱
食欲低下
脱水症状
たん
ゼーゼーという呼吸
風邪が長引く


肺の病気、肺の炎症なので、呼吸症状が主体です。せき、鼻水、発熱など、かぜの症状ではじまり、たんやゼーゼー(喘鳴)といった呼吸などです。さらに、炎症の全身反応として、発熱し、食欲が低下し、水分も取れなくなって脱水症状を起こすこともあります。ひどい肺炎では、呼吸困難をきたして人工呼吸器を必要とすることもあります。
肺自体に知覚神経がありませんので、肺炎は通常痛みを伴いませんが、神経は胸膜(きょうまく)に豊富に分布しているため、肺炎が胸膜直近に発生すると胸痛が強く現われます。胸痛は胸膜炎を合併していることを疑わせる重要サインでもあります。


治療・対処法
肺炎の診断は比較的簡単で、胸部レントゲン写真でさまざまな異常な陰影が認められるようになれば、肺炎と診断します。このような異常陰影は、気管支に限局していた炎症が、気管支周囲の肺実質からさらに広範囲に広がってきたために形成されます。重症になると入院治療が必要となります。治療は、適正な抗生物質が効果的です。抗生物質の選択は起因菌の種類によって決まります。 風邪と肺炎の見分け方は、普通、こじれていない風邪の場合は3日もすれば発熱が引きます。熱が4日以上続く場合は、肺炎や他の発熱の原因を疑い、医者にみせる必要があります。無理をして学校に行っているうちに肺炎を引き起こす場合もあり、発熱を起こしてから何日経過したかを観察することが大事です。 マイコプラズマ肺炎は、5~10才に多くみられる肺炎です。たんの絡んだせきが特徴で、1ヶ月も続く場合があります。高熱(38~40度)が4~7日間も続くこともある一方、発熱しないこともあります。くしゃみやせきを介して感染するので、保育園や幼稚園、学校などで流行するため、注意が必要です。

一方、クラジミア肺炎は6ヶ月くらいまでの赤ちゃん特有の疾患です。軽いせきから始まり、次第にひどくなっていきます。せきのために、授乳が難しくなることもあります。熱は微熱程度で、結膜炎をおこして目やにが出るのが特徴です。「風邪は万病のもと」といいますが、肺炎は、風邪→気管支炎→肺炎という経過をたどることが多いので、風邪にかからない元気な身体を作るのが一番です。
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