ママの健康 カラダのトラブル[膀胱炎]
膀胱炎は主に生殖年齢の女性に多くみられ、膀胱炎は、膀胱に起こる感染性疾患ですが、大別すると、急性膀胱炎、慢性膀胱炎、その他の膀胱炎とに分けられます。
菌は、患者の身体他部から持ち込まれることが多く、その経路は、しばしば尿道口よりの逆行性感染となります。それは男性に比べて女性の尿道は約4cmと短く、膣や肛門に近いことにあり、このため女性の尿道には常に細菌が侵入していますが、普通に健康な人であれば膀胱炎を発症することはあまりありません。ただ、最近は働く女性に多いともいわれ、5人に1人はかかったことがあるといわれており、妊娠中にかかりやすい病気でもあります。
トイレを我慢したり、冷えやストレスで悪化することもあります。人に聞きにくい病気の1つともいわれる膀胱炎ですが、もしかかってしまったら、慢性化しないようにきちんと対処しましょう。
原因
健康な人の場合、免疫機構の働きにより侵入した細菌の活動は抑えられ、それ以上増殖することはあまりありません。ところが、トイレを長時間我慢して膀胱が伸びきったり、長時間にわたって冷えたり、過労やストレス、流行性感冒(風邪)などにより免疫力が低下している状態で尿道に細菌が侵入すると、増殖を抑えられずに粘膜の炎症を起こすことがあり、これが膀胱炎の原因となります。
妊娠中である場合は、おなかの赤ちゃんに膀胱が押され、膀胱内の粘膜に炎症が起きたり、妊娠中におりものの量が増えて不潔になりやすいなどがあります。
症状
主な症状
残尿感
頻尿
排尿時の痛み
白く濁った尿
血尿
特徴的な症状は頻尿と痛みです。具体的に言うと、ちょっと前にトイレに行ったのに、また行きたいとか、トイレに行っても行っても、なんだか尿が残っている気がする、尿の終わりに痛みがあるといった症状です。また、尿が白く濁ったり血が混じることもあります。熱は普通出ません。
ただ、これは急性の膀胱炎の症状であり、慢性化してしまうと、症状自体は急性膀胱炎ほど激烈ではなくなりますが、尿に白い浮遊物が混じったり、なんとなくすっきりしない感じがずっと続くといった症状になります。症状は、急性膀胱炎が慢性膀胱炎より著明で、慢性膀胱炎では、症状が長い期間持続しますが、症状が軽いことが多いです。
トイレが近くなったり残尿感があったりするのは、膀胱に尿がなかったり少ししか溜まっていなかったりしても炎症による刺激によって尿意を感じるためです。
治療・対処法
病院で処方される抗菌薬(抗生物質)を3~7日間服用すると、1週間程度で症状が改善します。大抵は3日くらいで症状が軽くなるために、薬を止めてしまいがちですが、再発を繰り返す可能性が高くなるので、完全に菌をなくすために7日間くらいはしっかりと薬を飲み続けましょう。今は膀胱炎の市販薬もありますが、できるだけ専門医にみせることが肝心です。
妊娠中や出産したばかりの方は産婦人科でも相談ができます。一般に膀胱炎に使われるセフェム系やペニシリン系の抗生物質は赤ちゃんに影響しません。膀胱炎などの尿路感染症は放置すると早産の原因になる可能性がありますから、専門医に相談して、早めに治しましょう。
治療中の注意点としては、安静を保つこと、刺激物を摂取しないこと、おなかを冷やさないことのほか、水分を多めにとることが挙げられます。水分を多くとることによって、尿を排出する回数を増やし、できるだけ早く細菌を体外に追い出すことができます。
また、膀胱炎は意外と再発しやすい病気の1つで、「疲れると症状がでる」といったことが続くこともあり、子宮筋腫など婦人科系の病気や、膀胱結石、尿道狭窄、膀胱がんなどの泌尿器科系の病気が隠れている場合もあるので、再発を繰り返すようであれば、速やかに専門医に相談しましょう。
膀胱炎にならないためには、膀胱炎になる要素を絶つことです。具体的には、膀胱に菌を入れない、膀胱で菌を増やさない、免疫力を低下させないの3つを守ることです。普段から意識的に水分を摂ることを心がけましょう。