コミュニケーション[子育てエッセイ]
1才3〜4ヶ月
言葉のコミュニケーションの落とし穴
子どもたちがかなり複雑なことも、言葉を分かっていると感じることも増えてきたことでしょう。
私の両親が遊びに来ていた時、母が「この子、ずいぶんよく理解しているよ」と言う。
「何かあったの?」と尋ねると、今までそこにいた父がタバコを吸いに外に行ってしまい、Aが急にいなくなった祖父を慌てて探しているので、多分わからないだろうと思いながら「おじいちゃんはお外に行っちゃったから、そっちから回って、あの障子を開けてお外見てごらん」と言ったら、その通りに行動したという。
私も最近、ずいぶん言葉を理解してきたと感じていたが、これほど複雑な会話まで理解しているとは驚いた。
(1才2ヶ月 Aちゃん Y.Sさん)
こうして言葉で意思の疎通ができるようになってくると、言えばわかるという安心感が生まれてきます。
話し言葉も急速に発達していき、コミュニケーションはだんだんと言葉に頼るようになっていきます。胎内から0才の時代に培ってきた感じ取るコミュニケーションが少しずつ変化していきます。
ですが、まだまだ子どもたちは言葉のコミュニケーションの入り口。複雑になってきている気持ちに、言葉は追いついていきません。言いたいことがうまく伝わらなくてイライラしてみたり、泣くことがむしろ増えることもあるでしょう。
また、言葉が食い違うこともあります。
「いたいの、いたいの」と泣くので、どこが痛いのかと一生懸命聞いても泣くばかり…。あまりに泣くので、とりあえず病院に行こうとしてパパに連絡しようとしたら、子どもの表情が変わり、パパに「(あ)いたいの」と伝えようとしていたのだということがわかった、ということがあります。
考えてみれば、痛い時の泣き方とは全く違ったのに「いたいの」という言葉でそう思い込んでしまい、感じ取ることが及ばなかったのです。
これからどんどん言葉のコミュニケーションが豊かになっていきますが、言葉だけでなく、表情や体全体の様子から感じ取ることを、これからも大切にしていきましょう。