コミュニケーション[子育てエッセイ]
0〜1ヶ月
たくさん触って、たくさん話して
お誕生、おめでとうございます!
どんなご出産でしたか? 赤ちゃんと出会って、どんなことを感じましたか?
まずは、赤ちゃんをたくさん触ってあげましょう。カンガルー抱っこはしていますか?目と目を合わせて、お話していますか?
お腹の中でたくさん話しかけてもらった赤ちゃんは、落ち着いて周りの様子をよく見たり、話しかけてくれる声が聞こえれば、その人の方を向いてお話に耳を傾けることができます。
赤ちゃんの視界、30センチ
赤ちゃんを抱っこして、ちょうど目と目の距離、30センチくらいが赤ちゃんの焦点が合う距離と言われていますので、正面から顔が合うように抱っこして、ゆっくり話しかけてあげると、赤ちゃんはうっすら目を開けて、一生懸命見ようとしながら、耳をそばだてて話しかけを聞いてくれるでしょう。
この頃の赤ちゃんの注意をより引くのは、黒と白のコントラストだと言われていますので、東洋人の黒い目は、より赤ちゃんの注意を惹きつけるかもしれませんね。
もし、抱っこに慣れてなくて、あまりうまく抱っこができなくても、赤ちゃんは、ママの抱っこが一番好きなのです。看護師さんやご自分やご主人のお母さまに抱っこされている方が落ち着いているように見えることがあっても、それは「赤ちゃんが気を遣っている」のだと言われています。ママのもとだと、安心してグズグズ言えるのです。赤ちゃんは、これまでどこに行くにも一緒だったママの肌と匂いを感じているのが、一番落ち着くのです。
反対に、ママの側を離れることに大きな心細さを覚えるようです。寝ているな、と思っても、ママがそばを離れると、途端にモゾモゾ動き出したり、顔をしかめたり、目を開けて周りの様子を伺おうとしたりします。寝ていても、ママが側にいる安心感と、側を離れたときの心細さを味わっているのですね。ママが少し側を離れる時、例えばお手洗いに行かれる時でも、「ママ、お手洗いに行ってくるね。ちょっと待っててね」と声をかけて、戻ったら「ただいま」と声をかけてあげるだけで、赤ちゃんの安心感やママへの信頼感は、ぐっと増していくでしょう。
おっぱいタイムでスキンシップ
ところで、おっぱいタイムを楽しんでいますか?
赤ちゃんもママも、まだ慣れなくて、おっぱいだけであっという間に時間が過ぎてしまうかもしれませんが、赤ちゃんはその時間を通して、より大きな幸せ感や満足感を味わっています。
おっぱいは、赤ちゃんが生まれてすぐに出るというものではありません。赤ちゃんにたくさん吸ってもらうことで、出るようになってくるのです。おっぱいが出るようになるのは、生後4~5日してからと言われますが、もしその時期を過ぎても、諦めずに赤ちゃんに吸ってもらうことで出るようになっていきますので、究極のスキンシップであるおっぱいタイムを楽しんでくださいね。
たくさん触って、たくさん話しかけているうちに、ちょっとした赤ちゃんの表情の変化が掴めるようになっていきます。ママと赤ちゃんの信頼関係は、こうした毎日のコミュニケーションによって、徐々に作られていくのです。
ひとことアドバイス
上のお子さんのこと
小さい新米のお兄ちゃん、お姉ちゃんは、もしかしたら赤ちゃんが生まれたことによって、少し寂しい思いをしているかもしれません。
この間まで自分一人のママだったのに、ライバルが現れたのです。しかも、頂戴するお祝いといえば、赤ちゃんの物ばかり。皆が珍しげに赤ちゃんを覗き込んでは「かわいい!」と声をあげます。特に2才の頃はジェラシーが激しい時期ですから、赤ちゃんよりもお兄ちゃん、お姉ちゃんを優先してあげるなど、関わり方に工夫が必要です。
ジェラシーとは、赤ちゃんがいても自分のことを大切に愛してくれているのか、それを確かめる心です。特におっぱいの時間が、一番の勝負時です。
もし、おっぱいをあげようとした時に、お兄ちゃん、お姉ちゃんが側に寄ってくるようなら、その時に赤ちゃんが泣いていても「ちょっと待っていてね」と断って、まずお兄ちゃん、お姉ちゃんを膝に抱いて「赤ちゃんにおっぱいをあげてもいい?おっぱいが終わったら、また抱っこするからね」とお願いをしてください。もし「嫌だ」と言ったら、もう一度同じお願いを繰り返してから膝から下ろし、赤ちゃんに「お待ちどおさま」とおっぱいをあげましょう。
おっぱいが終わったら、必ず忘れずに「待ってくれてありがとう」とお兄ちゃん、お姉ちゃんを抱っこしてあげてください。もし、もう忘れて一人で遊んでいるように見えても、知らん顔をしながら全神経をママに集中して、「お待ちどおさま」と抱っこしてくれるを待っているのです。
もうお兄ちゃんなんだから、もうお姉ちゃんなんだから、という言葉は禁物です。自分が変わらずに愛されていることを実感したら、グっと成長したお兄ちゃん、お姉ちゃんの姿が見られるでしょう。