子どもの健康
消化器[ロタウィルス]
起こりやすい時期 : 6ヶ月~2才
ロタウイルスによる非常に感染力の強い病気で、免疫のない小児では6ヶ月~2才くらいまでに必ずと言っていいほど経験する病気です。
水のような多量の下痢便が出て、便の色も白っぽくなることから、白色便性下痢とも言われ、激しい嘔吐を伴うこともあるため、嘔吐下痢症、小児仮性コレラ、白痢などとも呼ばれ、秋から冬にかけて発生するので、冬季下痢症とも呼ばれています。
かかる頻度が非常に高く、乳幼児の冬の急性下痢症の8割以上を占める病気です。
原因
ロタウイルスによる経口感染。唾液や便などの排泄物から口に入り、1~3日の潜伏期間をへて下痢が始まり、ロタウィルスは約1週間便中に排泄されると言われています。
症状
主な症状
激しい嘔吐
白っぽい水様便の大量の下痢
微熱
下痢によるお尻のただれ
飲むとすぐに吐くといった激しい嘔吐と下痢が1~2日続き、4~5日から1週間程度で治るのが一般的です。
ウイルスの影響で白っぽい水様便が大量に1日に何度も出て、37度くらいの微熱を伴う赤ちゃんもいます。また、嘔吐は見られず、下痢のみ赤ちゃんもいます。
治療・対処法
ウイルスが原因なので、特効薬がありません。下痢が激しくても、ウイルスを早く排泄するために下痢止めは有効ではありません。脱水予防と下痢の対処療法を行います。
この病気で一番気を付けなければならないのは、嘔吐と下痢による体内の水分が失われる脱水症状です。水分を取っても嘔吐があるために、満足に水分補給ができず、脱水症が急速に進む傾向にあります。特にロタウイルス性下痢症の場合、ふつうの急性胃腸炎とくらべて、嘔吐や下痢の症状がはげしいため、脱水症状を起こしやすく、充分な注意が必要となります。
まずは水分をこまめに少量ずつ補給することが大切です。一度にたくさんあたえると嘔吐を誘発するので、根気良く何回にも分けて少量づつを心がけましょう。湯冷まし、麦茶、りんご果汁(柑橘果汁は下痢の原因になることがあるので避けます)などが良いでしょう。下痢に伴い電解質も失われているので、赤ちゃん用のイオン飲料もおすすめです。まずは飲める物を少しづつ与えて、脱水症を防ぎましょう。
赤ちゃんが口からの水分補給を全く受けつけなくなったら、点滴が必要です。脱水が進行すると生命に関わりますので、すぐにお医者さんに連れて行くようにしましょう。
下痢によるただれを防ぐために、おしりのケアも忘れずにしましょう。おしりの汚れは毎日シャワーや座浴できれいに洗い流してあげてください。汚れたらすぐケアしてあげるのがポイントです。清潔を心がけることが大切なので、微熱があっても、お風呂に入れて構いません。
市販のおしりふきは、汚れがきちんと落としきれないだけでなく、こすることが刺激となってただれてしまうこともあるので、気をつけましょう。
赤ちゃんの世話をする人は、便の処理など衛生的に行い、処置後の手洗いを徹底して行いましょう。使い捨て手袋などを使うのも有効です。オムツも熱湯や衣類専用の漂白剤で消毒してから、他の洗濯物とは分けて洗うことが重要です。