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妊娠中のトラブル
妊娠後期[妊娠高血圧症候群]

妊娠高血圧症候群
高血圧、尿淡白、むくみ(浮腫)のうちの1つ、もしくは2つ以上の症状が見られ、それが妊娠前から持っている症状でないものを以前は「妊娠中毒症」と称していましたが、現在は日本産婦人科学会によって、名称が「妊娠高血圧症候群」と改められ、むくみは項目より外されました。
症状が出やすいのは妊娠8ヶ月以降の後期で、約1割程度の妊婦さんが発症します。妊娠前期~中期の早めに発症した方が悪化する傾向があり、重症になると母子共に大変危険な状態になります。


原因
まだ明らかな原因は分かってはいませんが、若い初産婦と35才以上の高齢妊婦に発症しやすい傾向にあり、高血圧の遺伝的素因もあるとされ、多胎妊娠や糖尿病合併妊娠では発病しやすく、肥満とも深い関係にあるとされています。ただ、最近は一般的に妊婦管理が向上したため、これらの症候群の発症は減少傾向にあります。


症状
主な症状
純粋型
妊娠20週から産褥期(分娩後42日間)の期間にのみ高血圧、蛋白尿、浮腫などの症状を呈する場合をいいます。

混合型
妊娠前より、高血圧・尿蛋白・浮腫などの疾患または状態の存在が推定され、妊娠によって症状の増悪や顕性化をみた場合をいい、純粋型に該当しないものすべてをこれに含めます。なお、妊娠前期から発症し、分娩後も持続することがあります。

子癇
純粋型・混合型に係わらず、妊娠中毒症によって起こった痙攣発作を指し、時期により、妊娠子癇・分娩子癇・産褥子癇と呼びます。なお、痙攣発作の発症した時期がまたがった場合、たとえば分娩期と産褥期に痙攣発作が発生した場合は「分娩・産褥子癇」とされます。

主として妊娠後半期に高血圧、蛋白尿、浮腫の3主徴があらわれることが多いです。妊娠中毒症の病型は純粋型と混合型に大別され、純粋型、混合型にかかわらず、痙攣発作を伴うものは子癇といいます。
症状によって軽症、重症に分類され、また、子癇においては判定基準に係わらず重症とされます。


治療・対処法
発症したことを出来る限り早期に発見し、速やかに対処することが大切です。1週間に500g以上、1ヶ月で2kg以上の体重増加は要注意であり、また血液が濃縮する傾向が現れたり、血小板数が減ったりする特徴があります。

治療法は、安静療法・食事療法・薬物療法の3つに分類されます。

安静療法
入院して母体を安静に保つことにより、母体循環系負荷の改善、腎血流量増加、子宮内循環改善が期待でき、妊娠高血圧症候群の症状を軽くすることができます。

食事療法
低カロリー・減塩・高タンパク・低脂肪・高ビタミン食が基本となります。カロリー摂取量については、現在「妊娠高血圧症候群の食事療法※」の計算式により決められています。
減塩については、以前は極端な制限もみられましたが、現在では厳重な塩分制限はかえって母体血液濃縮などの弊害が起こることから、1日7~8g程度がよいとされ、水分はとくに制限せず、のどの渇きを感じない程度に飲みましょう。
タンパク質の摂取については、1日1g×標準体重を目安に。

薬物療法
安静、食事療法が無効な場合には、薬での治療が行われます。主に血圧を下げる効果のある降圧剤が使われますが、その目的は母体の安全性の確保であり、胎児にとっては必ずしも環境がよくなるとは限りませんので、必ず医師の指示通りに治療を受けることが必要です。
日本では血管拡張薬(アプレゾリン)が以前からよく使用されており、以前よく治療に用いられていた利尿剤は、かえって血液濃縮を促進させることから、最近では使用しません。


ひとことアドバイス

「妊娠高血圧症候群の食事療法」カロリー摂取量

普通体重(非妊時BMI 24以下)
30kcal×標準体重+200kcal

肥満(非妊時BMI 24以上)
30kcal×標準体重

標準体重とは?
身長(m)× 身長(m)× 22kg
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