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子どもの健康
内分泌[低身長]

起こりやすい時期 :

身長の成長が通常より低い病気です。治療が必要な場合は少ないですが、治療法は様々あり、効果もきちんと出る病気です。


原因
昔は「小人症」といわれていた病気です。以下のような病気が考えられます。

●成長ホルモン分泌不全性低身長症

●甲状腺機能低下症

●性腺機能低下症

●ターナー症候群を代表とする染色体異常症

●骨系統疾患(軟骨異栄養症など)

●非内分泌性低身長症(特発性低身長、体内発育不全性低身長、家族性低身長など)

●消耗性慢性疾患

●愛情遮断症候群

●ヌ-ナン症候群

●慢性腎疾患

●脳腫瘍



症状
主な症状
身長の伸びが成長曲線に照らし合わせ、遅い

下の図1中、身長の成長曲線の下限、マイナス2SD以下になると検査が必要です。マイナス2SDとは100人で身長が低い順に2.275人以下のひとです。1000人の学校で22.75人は低身長の検査が必要です。

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図2(広島赤十字・原爆病院 西 美和 先生の図)のうちA,B,Cはホルモンの異常あるいは、染色体異常が考えられ、Cは”おくて”も考えられます。Dは脳腫瘍、Eは思春期早発症が考えられます。
A,B,Cのようにマイナス2SD以下ならば、あるいは、Dのように急に身長が伸びなくなったり(成長率の低下といいます)、逆にEのように急に身長が伸びだしたら、精密検査が必要です。
Eの思春期早発症のうち男子の50%は脳腫瘍といわれています。

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まず、本人の成長曲線を描きます。その次に家庭の状況をききます。両親の身長は低くないかを聞きます(家族性低身長)。また、家で虐待されるなど親の愛情が途切れれば、身長は伸びません(愛情遮断症候群)。
ABCDEのどのタイプかを決めます。その次に、手根骨のレントゲンをとり、発育が遅れていないかを見ます(骨年齢といいます)。
次に採血して、ソマトメジンC(脳下垂体より出る成長ホルモンが肝臓に作用して肝臓からでる成長促進因子)や甲状腺ホルモンを測定します。骨年齢がおくれていて、ソマトメジンCが低値であれば、成長ホルモン分泌不全性低身長症を考え次ぎに述べる負荷試験を行います。頭部のMRIをとって脳腫瘍の有無を調べます。
また甲状腺ホルモンが少なければ、甲状腺機能低下症を考えます。


治療・対処法
今はバイオで作った成長ホルモン製剤があり、これは血液製剤ではないのでエイズなどの心配なく使用できます。成長ホルモンが適応とされている疾患は

●成長ホルモン分泌不全性低身長症

●タ-ナ-症候群

●軟骨異栄養症(軟骨無あるいは低形成症)

●低身長を伴う慢性腎不全(いずれも骨端線閉鎖を伴わない)


以上の疾患に適応が見とめられています。
毎日、あるいは2日に1回自己注射します。
副作用は注射部位の感染など局所的なことはありますが、その他は特にありません。成長ホルモンを打っていると白血病にかかりやすいといわれたことはありますが現在否定的です。高価な薬なので、小児慢性疾患対策事業のひとつになっています。
-2.5SD以下(タ-ナ-症候群は-2SD以下)の身長なら、公費の対象となり無料です。しかし、男子156.4cm女子145.4cmで公費は打ちきられます。
予防はありません。早期診断が大事です。6歳から10歳までに治療「成長ホルモン補充療法」を開始すると成長ホルモン分泌不全性低身長症は効果があります。それより遅くても手根骨の骨端線が閉鎖されていなければ成長ホルモンの効果はあります。
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